5月初旬のある日、チュニジア大使公邸では、モニラ・クリフ駐日大使夫人の招きで昼食会が開かれた。夫人は伝統的な民族衣装に身を包み、ゲストを迎え入れた。
5月初旬のある日、千代田区・九段のチュニジア大使公邸のレセプションルームには、豪華な地中海料理が並んでいた。ムニラ・クリフ駐日大使夫人がメディアを招いてランチを楽しむためだ。大使公邸では本国の要人来日の際、日本や関係国の要人を招き、食事会が開催されている。「ブリック」と呼ばれる卵の包み揚げ、世界最小のパスタ料理である「クスクス」、赤唐辛子の調味料「ハリッサ」など伝統的なチュニジア料理を用意するのは、大使公邸お抱えの料理人2人だ。
チュニジアは地中海文化圏に含まれるが、紀元前には先住民のベルベル人、栄華を極めたカルタゴ時代、ローマ帝国時代、オスマントルコをはじめとするイスラム王朝時代、フランス保護領時代などを経て1956年に独立。さまざまな歴史のスパイスが加わり、独自の進化を遂げてきた料理は、歴史や文化を感じてもらえるPRツールだ。
「チュニジアは、カルタゴ・ローマ遺跡など8つの世界遺産を有し ...
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