(写真右から)ファンケル『はあもにぃ』編集長 東滝千英さん 編集部 宮澤純子さん 編集部 中里麻美さん
編集部は3人体制。取材、撮影の一部とデザインを制作会社に依頼している。
化粧品・健康食品メーカーのファンケルでは、2013年度から社内報の誌面をリニューアル。2012年に読者ターゲットを明確化するため、従業員1000人にアンケートを実施。従業員を(1)仕事に対して受け身がちな「マイペース」型、(2)課題は認識しているが解決の仕方がわからない「仲良しサークル」型、(3)主体的に行動できる「クラス委員」型、(4)周囲を巻き込んで成長を楽しめる「チェンジリーダー」型の4段階に分類した。今年度は「仲良しサークル」型をメインターゲットに設定。自身の業務や身近な話題に興味関心があるこのタイプが仕事のヒントにできるような情報を発信する。
例えば、各部署の顔ぶれを紹介するコーナーに、それぞれが実践している能率アップ術の紹介欄を設置。編集を担当する中里麻美さんは「個々人の仕事術はなかなか聞く機会がありません。あの先輩もやっている、となれば自分でも取り入れてみたくなるはず」と語る。1年ごとにターゲットを引き上げ、段階的な成長を促す狙いだ。
従業員からは現場で活用できるツールとしても評判が高い。後輩を教育するための教材として使ったり、店長が販売員に社の現状を伝えるために活用したりといった声も寄せられている。
1991年創刊。毎月10日に発行している。発行部数は約3800部で、全従業員に配布している。社内広報理念は「つなぐ、支える、動かす」。「こちらが一方的に情報を伝えるのではなく、従業員と会社、社会とをつなぐものと位置づけています」(中里さん)。
ここがポイント!
2014年度の注力テーマを「部門連携」「face to face」「スピード」に設定し、読者への伝え方を工夫。例えば、部署紹介のコーナーでは、他部署やお客さまとのつながりがビジュアルで分かる相関図を紹介。また、スキルアップのため、社内の達人から仕事にすぐに使えるノウハウが学べる「実践塾」の連載も始めた。
<コンテンツ>
常にお客さま視点に立つという社の方針を共有するため、心のこもったサービスを実施できた従業員の話を物語風にアレンジした「ファンケルらしさ物語」や、昨年3月に経営に復帰した創業者・池森賢二氏の言葉を伝える「池森思考」が人気。
制作スケジュール | |
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年頭から年度末にかけて、ターゲットに沿った年間の企画について、おおまかな計画を作成。3人の編集部員のほか、各組織本部から選ばれた編集委員の協力も得て、現場発のホットな情報を届けている。 | |
発行3カ月前 | 編集部で企画会議。企画が固まった段階で編集委員と台割を共有する |
発行1~2カ月前 | 取材依頼、取材、撮影。制作会社へ入稿。 |
1週間前 | 校了 |