上場企業479社の広報活動実態調査でわかった日本企業の広報力とその課題、ビジョンについて「8つの広報力」を切り口にレポートする。
効果測定重視の企業は高スコア
広報活動における「情報分析力」は、連載2回目で述べた「情報収集力」とともに、いわゆる情報を“知覚”するフェーズを担っている。企業を人に例えた場合、視・聴覚や嗅覚などといった人体に備わった感覚器官(アンテナ)で周辺状況を感知するのが情報収集力、その情報を脳で判断する段階が情報分析力に当たる。「情報分析力」では、危険なのか・そうでないのか、言うのか・言わないのかを瞬時に判断する“広報センス”が問われることとなる。
今回の調査における情報分析力ベスト3は、「自社サイトの効果分析」(53.0%)、「リリースごとの掲載量把握」(43.0%)、「新聞やテレビでの報道量測定」(34.4%)の順であった。最も高いスコアでも53.0%と、情報収集力に比べて全体的にスコアが低く、各企業の広報は情報分析にあまり手をつけていないことがわかる。
また、これらはどれも広報効果測定であり、実際、「広報効果測定の基準として何を採用しているか?(複数回答)」という別の設問における ...
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