コーセー 経営企画部 広報室 三野美幸氏(みの・みゆき)
2003年にコーセーに新卒入社し、福岡支店、千葉第一支店にてそれぞれ3年間営業職に従事。その後、産休・育休を経て、2012年に広報担当として復帰。
2013年、コーセーは前年比1.5倍の約80本のリリースを発信した。大きな広報案件が続いたこともあったが、経営トップが打ち出す「現状に甘んじずチャレンジを続ける」姿勢を広報としても実行したためだ。室長をあわせて7人の広報室で2年目を迎え、社内外広報を担当する三野美幸さんも、そんな攻めの姿勢を実践する一人だ。
昨年はリリースの数を増やしただけでなく、コーセーをメディアに取り上げてもらう機会が増したと実感している。「リリースはきっかけでしかありません。それを材料に、いかに記者の方と深いコミュニケーションができるかが重要だと考えています」。商品数は多いが、単体でメディアに取り上げてもらうのは難しい。経済の動きやトレンドと商品をどのように関連付けて伝えられるか。そのヒントは、記者との会話で得られることが多いという。「たとえば、景気が上向き傾向の中、昨年流行したのがバブル時代の80年代ファッション。ハイウェスト、クラッチバッグなどが流行っていると聞いて、コスメならトレンドと言われていた赤い口紅も同じことだとピンときました」。時代背景を意識して記者たちに話した結果、コーセーの赤い口紅を多数露出してもらうことができた。 攻める広報の楽しさを実感する一方で、失敗もある。最近では、あるブランドが意図したものと違った見地からの記事になり、事業部から指摘を受けることがあった。メディアはどの部分を切り取って記事にするか分からない。「そういったミスを防ぐためにも、どのような記事になったらよいのか。広報として戦略を持ち、現場に喜んでもらえる露出をしなければ。ただ載るだけでは意味がありません」。