日本唯一の広報・IR・リスクの専門メディア

           

本田哲也のGlobal Topics

オーストラリアのニューズ社が挑んだ、新聞復活作戦

本田哲也(ブルーカレント・ジャパン代表取締役社長/米・フライシュマン・ヒラード上級副社長兼シニアパートナー)

主要3都市の370カ所に毎朝「1面記事」を掲出した。

新聞、読んでますか?─いやいや、「紙」の新聞ですよ。オンライン版ではなく。広報PRの仕事にとって、「新聞」はもちろん重要。けれど正直、最近ちょっと「紙の新聞」から遠ざかっていないだろうか。いわんや世間は......というわけで、誰もが認識しているとおり、新聞の国内発行部数は10年で約10%減、アメリカは17%減など新興国以外の多くでダウントレンドにある(世界新聞・ニュース発行者協会(WAN-IFRA)『WORLD PRESS TRENDS』より。2012年と2002年の比較)。

今回の国、オーストラリアも例外ではない。かつて「マードック帝国」と言われたニューズ・コーポレーション傘下の各紙は、下がり続ける発行部数に苦しんでいた。今回は、紙メディアの苦境を他のメディアが救った、最新事例を紹介しよう。

ニューズ・コーポレーションの3紙(デイリーテレグラフ、ヘラルドサン、クーリエメイル)は、ここ最近、発行部数が年平均9%も落ち込んでいた。「このままでは、いつか我々は死んでしまう」─追い込まれた同社は、なけなしのマーケティング予算の50%を注ぎ込んで、画期的なキャンペーンを展開することを決定した。「Fast Front Pages」と名付けられたキャンペーンのねらいは、もう一度「ヘッドラインの力」─新聞の「見出し」の持つ影響力─に目を向けよう!というものだ。ここにはひとつの仮説があった。そもそも人々が新聞を買うのは「ヘッドライン」に惹かれてではないか。ただここ最近、人々はその肝心のヘッドラインを目にする機会がない......だったら、見てもらう「場」をつくってしまおう!

あと46%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

本田哲也のGlobal Topics の記事一覧

オーストラリアのニューズ社が挑んだ、新聞復活作戦(この記事です)
「イケメン1億人に髭を剃らせよ!」インドで成功した戦略PR
ローマ法王、人気急上昇の裏にPR専門家
「美女の国」ウクライナの鉄鋼工場大作戦
PR界のカンヌ「セイバー賞」グランプリ受賞、マークス&スペンサー「いらない服の寄付キャンペーン」とは?

おすすめの連載

特集・連載一覧をみる
広報会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する