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BtoB企業の話題のつくり方

コマに込めた技術で勝負!NHKが密着した製造業のコマ大戦

全日本製造業コマ大戦

「中小の製造業を元気にしたい」――その思いのもと、全国の町工場の有志が結集。その動きは、業界を越え、国内にとどまらず海外までも広がり始めている。

メディアも熱中、ドラマ溢れる「喧嘩コマ」
各地区予選にも多くのメディアが取材に訪れるが、バラエティ番組の取材は基本的に受けていない。理由は「“勝ち負け”だけをクローズアップする可能性が高いから。“私たちはこういう思いで作っている”というところを先に伝えておくことで、不本意な露出のされ方を防ぐことができます」。

町工場が熱中する「喧嘩コマ」

今、全国各地の町工場が「コマ」の戦いに熱中する様子が注目を集めている。全国の中小製造業が自社の持つ技術を詰め込んで製作したコマを持ち寄り、1対1で戦う大会「全日本製造業コマ大戦」だ。直径わずか25cmの土俵の上で、直径2cm以下という1円玉より小さい小さな金属製の2つのコマが回る。どちらが先に倒れるか、大人らが一喜一憂しながら息をのんで見つめる「喧嘩コマ」だ。普段は目に付きにくい製品を取り扱う町工場のプロの技が、土俵の上でぶつかり合う姿を取材しようと多くのメディアが集まる。

発起人は従業員10人の横浜市の小さな町工場・ミナロ代表取締役の緑川賢司氏。神奈川県内最大の工業技術・製品に関する総合見本市に出展した際、「事業を成長させるために、この場所で何か目立つことができないか」と考えた。単にブースに製品を並べるだけではなかなか目を向けてもらえない。そんな時、ある製造業仲間がノベルティとして作った金属製の小さなコマに目を奪われた。「単独で回せば3分以上回り続けるという安定感抜群のコマに詰め込まれた技術に“さすが”と感動するとともに、“これはいける”とピンときました。小さなコマなら、技術と機械を持つ町工場なら10分もあれば作れるはずで、材料も端材を使えばコストもかからない。時間的にも費用的にも仕事の負担にならずに作れて、何より技術を詰め込んだコマ同士を戦わせる喧嘩コマは注目を集めるはず、と考えました」(緑川賢司氏)。

それからすぐ、フェイスブックにコマ大会のアイデアを投稿すると、同業者たちから「やってみたい」と参加の手が次々と上がり「これは予想以上に盛り上がる」と確信。構想から4カ月後の2012年2月、第1回となる大会の日を迎えることとなる。

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