上場企業479社の広報活動実態でわかった日本企業の広報力とその課題、ビジョンについて「8つの広報力」を切り口にレポートする。
情報収集力に関する企業の広報活動実態 (情報収集力の10設問から主要設問を抜粋)
回答した上場企業479社が情報収集力関連で当てはまると回答した数をパーセンテージ表示している。星印は、専門家パネルが重要視した上位3項目(数字は順位)
情報収集の3つのトレンド
広報力上位の業種は、「情報発信力」だけでなく「情報収集力」や「危機管理力」が高いことは、前回述べたとおり。なぜ「情報収集力」が高いと広報力全体が向上するのか。その理由は、広報とは情報のキャッチボールであり、一方的な情報発信ではないという基本的な部分に関わると考える。情報の受け手が何を思い、何に期待しているのかを知ることは、発信力を高める上でも必要不可欠な業務である。
今回の調査回答企業が、重要な“情報の受け手”として捉えているベスト3(複数選択)は、「株主・投資家」(90.2%)、「顧客」(88.1%)、「メディア」(69.1%)の順であった。
では、実際どのように情報を収集するのか、最近のトレンドで3つほど見てみたい。 1つ目は、「ソーシャルリスニング」。ツイッターなどで繰り広げられている膨大な情報から、自社やサービスに関わる評判をリアルタイムで洗い出していく。記者が書く洗練された記事と違い、投資家や生活者のふとした思いが綴られるため、広報戦略にも気づきを与えられることが多い。危機の予兆をつかむのにも極めて有効だ。31.9%の企業が実施しているとの回答を得ている。
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