尖閣問題の時期でも中国本社へのメディアツアーを実施
2012年から始めたメディアツアーは、ちょうど尖閣問題の時期に重なってしまったが、予定通りに実施。ファーウェイと日本のメディア、相互の信頼につながった。メディアツアーで案内するのは、日本、インドなど世界各国の食事が楽しめる本社社食(左)、創業の地(創業者が住んでいたアパートの一室・右)など。
きっかけは代役だった
世界のスマートフォン市場でサムスン電子、アップルに続く第3位と急成長中の華為技術(ファーウェイ)。創業から8年、躍進する中国企業の日本法人、ファーウェイ・ジャパンのメディア・リレーションズ・マネージャーを務めるのが、江島由賀氏だ。大学卒業後、地元福岡の銀行勤務を経て米系企業の日本事業拡張のために上京。その後、サイバードに移り、広報のイロハを学んだ。
入社当時、サイバードは新規上場の直前。モバイルインターネットの新しいビジネスということに加えて、社長が米国育ちで流暢に英語を話すことから、海外メディアからの取材も多かった。銀行勤務時代から英語を使う経験があった江島さんが、広報担当者の代役として取材に同席するようになったのはそのような経緯だった。その頃まではマーケティング責任者が広報を兼務していたが、広報経験者が中途入社して広報部門を立ち上げた。「ベンチャーだからこそ、自社のブランディングをしなければならない」と、リリースや会社案内などの基本ツールの整備やウェブの改革を進め、商品PR部門とは別に企業広報、IR部門も立ち上がった。
サイバードには4年半在籍したが、入社半年後には正式に広報に異動し、約4年の間に商品広報、企業広報、社内報、会社案内作成、ウェブ構築などひと通りの広報の基本業務を経験した。「広報の価値、役割を知ったのはこの頃です。経営に近いところでこの先ビジネスがどう変わっていくのかが見られる貴重な立場。互いに球を打ち返す取材の受け手も記者の方も見識を磨いている方々で、この業界はこうなっていくのか、といった発見が日々あり、自分自身の好奇心を満たしてくれる感覚もありました」。