広報活動の本領でもあるメディアリレーションズ。自社の顔として、メディアとの良好な関係をいかに築くか。ポイントとコツを説明する。
イラスト/岡田丈(vision track)
とうとうと流暢に話すことだけが広報の仕事ではない。伝えたいポイントを明確に絞って、相手の様子を見ながら押しも引きもする柔軟性が必要だ。やたらと話が長い広報は煙たがられる。
あれもこれも、と欲張って情報を盛り込んで伝えようとしても、なかなか伝わらない。特に伝えたいポイントを絞り、アプローチ先に合わせて切り口を変えてアピールすることが必要だ。アプローチする際には、なるべく“この枠に載せたい!”と決めて話した方が伝わりやすい。掲載につなげるには、枠の特性を考え、それに合った企画を提案する勢いが必要だ。ただし、あくまで紹介する際の切り口を考えるのはメディアの役割。アプローチする側があまりに決め込んでアピールすると、煙たがられることも多い。
本来であれば、良いネタは絶えず2~3つ持っておき、メディアからリサーチ対象として問い合わせが入るくらいになるとベスト。基本的に広報担当者は“会社の顔”としてメディアから見られるため、何でも知っていて当たり前。うまくリレーションを築いていくには、当たり前のことに加えて“記憶に残る人”になることが大切だ。
一方、自社の考える重大な発表事項である場合には、記者クラブなどで平等に発表することを原則とすべき。メディアを絞り込んで情報を先出しすることも発表時のひとつの手だが、慣れていないと事故につながることも。不平等感が露わになると、せっかく築き上げた信頼関係が台無しになることもある。自分のさじ加減で決められるネタであれば、テーマにふさわしい記者にヒアリングをして企画可能性の打診を図ることもひとつの手。