上場企業479社の広報活動実態調査でわかった日本企業の広報力とその課題、あり方について「8つの広報力」を切り口にレポートする。
調査データからの数値を基に100点満点で換算しスコア化したものを業種ごとに平均している。総合点が最も高いのは「電力・ガス」。上位業種は、情報収集と情報発信、危機管理がそれぞれ平均的に高いことがわかる。
複雑化する広報業務を可視化
企業の広報担当責任者は、常に他社がどのような広報を実施しているのか、自社の広報はどのレベルにあるのかは気になるところである。ましてや、ソーシャルメディアなどメディア環境が激変し、不祥事や社会的イシューへの対応もより一層必要な時代となり、広範化、複雑化する広報活動を担う責任者の悩みは深まる一方だ。
企業経営において、社会とのコミュニケーション活動の中核を担うPR・広報部門の重要性が高まるなか、日本企業の広報活動を俯瞰的に把握し、課題を明らかにする必要性の高まりを感じていた。
「8つの広報力」とは「情報収集力」「情報分析力」「戦略構築力」「情報創造力」「情報発信力」「関係構築力」「危機管理力」「広報組織力」で、企業広報戦略研究所(電通パブリックリレーションズ内)が独自に開発した「広報活動オクトパスモデル分析」により抽出された指標で評価される仕組みとなっている。
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