年間を通じ、多くの企業がこぞって発表している調査リリースだが、メディアが採用したくなるポイントとはどのようなものだろうか。全国紙生活情報担当記者、主婦誌編集長、ウェブニュース記者の3人に話を聞いた。
母数は100以上、出所を明確に
「根本的なことではありますが、最初に確認するのは発信元と調査対象となる母数。読み込む前に、それが信頼できるデータかどうかを見極めるためです」と話すのは全国紙生活情報担当記者A氏。出所については、規模や知名度を問うというより明確に示しているかが大切で、調査母数はデータの信ぴょう性を保つことのできる数字かどうかを見る。
「最近の調査リリースでは、複数企業が集まって団体や研究会などを発足し、業界全体の動きや流れとして調査を行うケースも増えているように思います。一企業が発信する情報だと、特に新聞では企業色が強すぎて取り上げられにくいと思われている節があるのではと思いますが、中には企業名の記載がなく、どんな団体なのかが不明確なものも。発信元が明確でないとデータそのものに信ぴょう性が生まれないので、せっかく面白い調査をやっているのに、出所をあいまいにしているために採用にいたらないことも。もったいないと感じることもありますね」。
調査母数に関しては、「感覚値ですが、あくまで傾向として示すには、(調査母数が)100を切るとあまり信ぴょう性がないという印象です。単に多ければ多いほど良いというわけではありませんが、やはり調査母数が多い方が、傾向として示す際に強い。数字を示す際には、特に背景を明確に示す必要があります」。