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小さなお店を流行らせる広報術

「あやしげ」「危険」「やばい」の担い手不足が残念

吉野信吾(プロデューサー)

昨年、表参道の骨董通り沿いにニール・クレインバーグとディディ・ラーマン夫妻が経営する「クリントン・ストリート・ベイキング・カンパニー&レストラン」という、ニューヨーク発のパンケーキのお店が、ニューヨーク以外で初の2号店として東京進出を果しました。ニューヨーク・マガジン誌に絶賛されたブルーベリーのパンケーキやオムレツ、エッグスベネディクトが売りで、いかにもパンケーキが似合いそうな自然光を一杯採りいれたカジュアル・インテリアのモダンカフェ。テレビや雑誌にも数多く紹介され、オープン当初は長蛇の列でした。そのお客さんの多くが、甘いものには目がない女性であったことは言うまでもありません。

海外人気店の初上陸。一流誌が絶賛、それもニューヨーク。女性に大人気......行列、という定石通りの広報宣伝戦略ですが、今回はその定石通りの広報宣伝戦略の話ではありません。なぜ、最近のお店のコンセプトや発想、提供するメニュー、インテリア、雰囲気......といったすべてが、どうしてここまで露骨なまでに健康、清潔、明るい、安全、女子好き、甘い......といった店作りになっているのでしょうか。

店舗を開発する場合、まず誰をターゲットにするか、どんな客層にするか、ということは必須ですが、しかし、それ以前に店主自身が「こんな店をやりたい!」といった情熱こそが最も大切であることはいうまでもありません。単に「儲かればいい」「儲かる店だったらなんでもいい」という発想の人がいますが、結果的にうまくいきません。それは自身がやりたい情熱があればこそ、お客さんの気持ちになって、身になって考えることができるからこそ「好きな人にはたまらない店」作りが可能になるわけです。

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