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主要企業の広報部長63人

女性マネージャーが語る 広報のウーマノミクス

アメリカン・エキスプレス・インターナショナル、Inc×カルビー×ジョンソン・エンド・ジョンソン ビジョンケアカンパニー×経済産業省

総合職の中でも、女性の感性やコミュニケーション能力が生かしやすいと言われることもある広報。今回は、さまざまな立場の女性広報マネージャーや専門家が集まり、女性が活躍できる社会への展望を語った。

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参加者
(前列左から)
ジョンソン・エンド・ジョンソン ビジョンケアカンパニー
マーケティング パブリックリレーションズ マネジャー 眞野昌子氏

カルビー 広報部長 後藤綾子氏

(後列左から)
アメリカン・エキスプレス・インターナショナル,Inc.
副社長 広報 日本/アジア・太平洋地区担当 エディ 操氏

経済産業省 経済産業政策局 経済社会政策室長 坂本里和氏

女性は企業の競争力の源泉

エディ▶ 新卒で入社した外資系企業で、外資系企業の日本でのPRと日本企業の海外市場でのPRを学びました。転職した英国の航空会社では女性やアジア人などのマイノリティーを支社長クラスに登用するための勉強をする機会に恵まれました。アメリカン・エキスプレスに移ったのは今から7年ほど前で、現在は日本の広報部門のほかアジア・太平洋地区担当として、海外の広報業務の一部を統括しています。日本の広報チームは5人で、今は部下のエリアマネージャーは全員男性です(笑)。

後藤▶ 入社以来7年間営業職でしたが、2002年に突然社長秘書に任命されました。09年にジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の元社長の松本晃が会長に就任しました。松本から尋ねられて当社の女性の管理職比率を調べてみるとわずか6%で、「この会社は1世紀遅れているね」と言われ衝撃を受け、10年にダイバーシティ委員会を立ち上げました。広報部長は12年からで経験は浅いのですが、インナーコミュニケーションにはトップ秘書の立場から関わってきました。広報部はウェブ制作含め9人で、そのうち男性は1人。広報は取材で急な出張が入ることもよくあるので全員女性だと回しきれない面もあります。もう1人か2人、動ける男性がほしいと思っています。

眞野▶ 新卒で入社したのは、女性だけにお茶くみや掃除の当番があるような会社でした。J&Jのコンシューマーカンパニー、PR会社へと転職して、マーケティングやコミュニケーションを学ぶ機会を得ました。08年からJ&J ビジョンケア カンパニーパブリックリレーションズ マネジャーとしてコンタクトレンズ「アキュビュー」ブランドの社内外広報全般に携わっています。広報は3人で、全員女性です。

坂本▶ 1995年に通産省(現経産省)に入省し、11年6月に経済社会政策室に異動になり、初めて管理職となりました。女性登用の国際比較データなどを見ていると、先進国の中で日本は突出して遅れています。しかも、国内よりむしろ海外の方が「日本経済は、女性活用を進めなくて大丈夫か」と心配している。海外が持っている危機意識が日本企業の中にいまひとつないことに不安を感じています。市場の成熟・多様化に伴い、機能よりも感性的な付加価値による差別化を図ることが重要になっています。日本のマーケティングが弱い理由として、競争力を左右するうえで重要な消費者相談室などの部署を軽視してきたということが挙げられます。消費者理解を高め、戦略的なマーケティングをしていかなければ、日本企業は強くなれません。女性はきめ細かい気遣いを持ち、話好きな人が多く、共感しやすい。つまりコミュニケーション能力が高いため、特に広報やマーケティング部門で力を発揮しやすい。企業の競争力をつけるための鍵は女性が握っていると思います。

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