兵庫県知事選「広報」の教訓とは?
PR会社の社長が兵庫県知事選挙の投開票日から3日後に、ネット上に「今回広報全般を任せていただいていた立場として」実際の広報活動を公表した。しかし、公職選挙法が定める選挙運動期間中の業務かボランティアかが不明確な活動内容の記載により、当選した斎藤知事の公職選挙法違反を問う声が広がり、PR会社社長の人物像まで報じられるなどSNSやメディアでの批判が過熱。混乱に発展した。
ウェブリスク24時
ブログや掲示版、ソーシャルメディアを起点とする炎上やトラブルへの対応について事例から学びます。
米金融大手のJPモルガン・チェースがリクルーティング目的のツイッター企画を始めたものの、ユーザーから批判が殺到、中止に追い込まれた。
概要はこうだ。JPモルガン・チェースがツイッターで質問を募って副会長が回答するという企画を始めた。大学生との直接的なコミュニケーションで同社への理解を深め、リクルーティングにつなげるのが狙いだったという。ところが開始直後からあざけりや罵倒するものが殺到。短時間で終了することになった。同社では最近、立て続けに不祥事が起きている。それに関連する批判が大半だった。
ソーシャルメディアの普及に伴い、広報・宣伝・販促・採用など幅広い部署で活用の機会が増えている。しかし実際に始めてみると、この例のように計画段階では想定できなかった反応や批判にさらされる場合も珍しくない。特定の部署が実施するものであっても、社外から見ればその企業を代表するものという意識が必要だ。
ソーシャルメディアは誰でも参加できる自由な言論空間であり、その論調は企業が期待するようにはコントロールできない。しかし、企業がそこで日常的に参加して関係をつくり、論調をチェックしていれば、何かを始める時にどんな反応になるかは大よそ予想できるし、ファンによって支持も得られやすい。逆風の時でも一定の理解は得られよう。
関係のできていない場所でいきなり企業側に都合の良い話を一方的に聞かせようと思っても、無理があるということをまずは知っておく必要がある。