機関投資家だけでなく、"ファン株主"を得たいという企業が増えています。本連載では、個人投資家向けに株式の評論を行う櫻井英明氏が、マーケットで選ばれるIRコミュニケーションの秘訣を読み解きます。
タイ企業向けのサービスを提供するなど「Eコマース売上アップソリューションを世界に提供するエイジア」のイメージ確立にIRも貢献している。
IR担当者というのは悩みの深いもの。他社のIR担当はどうしているのか、どんなことを考えてどんな行動をしているのかなど真面目なIR担当者ならば日々否応なく考えさせられている。そして他社の動向も同様に気になっている。
現場熟知の一環として先日、メール配信システムなどを提供するエイジア(2352)の経営企画室でIRを担当している鈴木隆廉さんを取材した。
「個人投資家として企業に問い合わせをした経験があるので、逆の立場となった今でも『自分だったらどう対応して欲しいか』を常に意識しています。IR担当の電話対応によっては『検討していたが絶対に買わない』となりかねません。前職のテレマーケティング会社での経験も生かし、丁寧な応対はもちろん、真摯な対応を心掛け、1回の問合せが30分以上となることもあります」。これは多くのIR担当者の日常業務にある風景だ。ただ同じ問い合わせ対応でも業種によって異なる。投資家の目に触れる商品を提供している場合は比較的理解されやすいが、ソフトウェアや各種部品などの場合は業容を知ってもらうことが第一になる。