和田順子(わだ・じゅんこ)
大学卒業後、インポートアパレルメーカーの広報を経て、2012年5月にワコールに入社。
1946年、創業者の塚本幸一が「世界の女性を美しくしたい」というビジョンをもって設立したワコール。約1年半、その広報を務めるのが和田順子さんだ。アパレル販売のアルバイトで店頭に立っていた学生時代は、読者モデルがもてはやされ始めた時期。彼女たちの影響で商品が売れていくことから雑誌づくりやPRの仕事に関心を持った。
卒業後は希望通りアパレルメーカーで2年間PRのキャリアを経て現職に就いた。「洋服であれば、編集者に着用してもらうことでどんどん周りに広まっていくPR手法がとれます。でも下着は、人に見せて歩くわけにいきませんよね。一般的なアパレルに比べ広報活動のできる幅が狭く、工夫が必要なんです」。
商品は、年齢別・シーン別・悩み別に約30ものブランドに細分化され、和田さんが担当するのは、10代から30代前半をターゲットにした若者向けブランドだ。直近で手掛けた大仕事は、ファッションショーの「東京ランウェイ」への出展。大舞台を意識して普段よりデコラティブに装飾される洋服の中で、圧倒的に生地の総面積が少ない下着が引き立つだろうかと心配したが、来場者の目が釘付けになっているのを見て安心した。
数あるブランドの中から、この舞台に選ばれたのが、担当している「AMPHI」。ブランドのターゲットである若年層に“今伝えるべき” 大切なメッセージがあったからだ。「乳がん予防のキャンペーンであるピンクリボン活動を若い世代に広めると同時に、下着をファッション感覚で楽しんでほしいという考えがありました」。