恩師の退職祝いに260人が駆け付け
約1時間半の旅を終え、鹿児島中央駅ホームで記念撮影。木原さんの教え子ら約260人が集まった。JR九州によると、新幹線1編成を無償で貸し出すのは初めて。
九州新幹線を使って夢を叶えるJR九州の企画「DREAM九州新幹線」が実施され、1539件の応募の中から選ばれた男性らが8月24日、車内で中学時代の恩師の退職を祝った。博多から鹿児島中央までの約1時間半、6両編成の新幹線を貸し切って行われた。
この企画は、九州新幹線の開業2周年を記念して実施したもの。2月中旬に発表し、3月下旬まで募集。選考で1組を選び4月末に発表した。当選したのは、福岡県豊前市在住の末延道尚さん(31)。恩師の木原純子さん(60)が今年3月、校長を最後に定年退職することを知り応募した。
当日は、教え子ら約260人が博多駅から乗り込んだ。木原“先生”はJRの制服姿で登場し、参加者のきっぷを拝見。コッペパンにジュースなどの給食や学級新聞の配布のほか、車内テロップを使って参加者から先生へのメッセージが綴られ、最後は先生に参加者から卒業証書が授与された。鹿児島中央駅に到着後は、ホームで記念撮影が行われた。
JR九州によると、新幹線1編成を無償で貸し出すのは初めて。映像や音響機材を持ち込んだり、テロップにメッセージを流すなど異例の対応で迎えた。
公募でほかに寄せられた企画は、結婚式やコンサート・ライブなどが多かったという。「応募された方の思いの強さと、実現可能性を踏まえて選考した」(広報)。当日はメディア取材も招き、9月20日時点で新聞8紙のほか、テレビ6局、雑誌1誌に掲載された。
1539件の中から選ばれ、「夢」を叶える
「九州新幹線で叶える夢に応募した末延道尚さん(上)と、今回の主役でこの3月に教師を定年退職した木原純子さん(下)。1539件の応募の中から選ばれた。