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時事ニュースから読み解く、危機対応の本質

読者プレゼント水増し事件、イメージ失墜を招いた秋田書店の広報対応

城島明彦(作家・ジャーナリスト)

危機を乗り越えるための対応方法は、世間を賑わせる時事ニュースの中から学べる点が多くある。取材される側と取材する側の両方を経験し、広報業界を30年以上見続けてきた作家・ジャーナリストが、危機対応の本質について解説する。

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秋田書店による読者プレゼント景品数水増し問題
漫画雑誌の読者プレゼントで、誌面に掲載した当選者数に対し実際の当選者数が少なかったとして、消費者庁に景品表示法違反として措置命令を出された秋田書店。「プレゼントパブリシティ」という、メディアアプローチの常とう手段のグレーゾーンが露わになった。現在、問題となった漫画雑誌のホームページには謝罪文が掲出されている。

「景品表示法」違反で処分

テレビ、新聞、雑誌の「景品プレゼント」で使われる常とう句に、「当選者の発表は、商品の発送をもって代えさせていただきます」がある。消費者はそれを鵜呑みにして応募するわけだが、秋田書店の女性向け漫画雑誌3誌(ミステリーボニータ、プリンセス、プリンセスGOLD)の「読者プレゼント水増し事件」が発覚したことで、「ほかの企業も同じことをやってきたのではないか」との疑いを世間に抱かせた。プレゼントパブリシティは、広報にとってメディアにアプローチする重要手段。その信頼性をも揺るがせた。

事件は、消費者庁が8月20日に発表したプレスリリース「株式会社秋田書店に対する景品表示法に基づく措置命令について」で表面化した。景品表示法の正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」。商品やサービスの品質、内容、価格などを偽って表示することを禁じ、過大な景品類の提供を防ぐために最高額を制限した法律である。

「景品表示法に基づく措置命令」を受けた企業は、昨年が二十数件で、今年は秋田書店で9件目になるが、景品水増しの罪で企業が消費者庁の処分を受けたのは、昭和37(1962)年の同法施行以来、「初」という不名誉な記録だ。

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