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担当者が語るIRの現場

IR本格始動で時価総額が4倍に

フロイント産業

従来の定型的な情報開示に留まらず、多様な方法で株主や投資家、アナリストに社の魅力を伝えようと試みる、IR実務担当者によるリレー連載です。

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ニーズにあわせ、簡易版、詳細版などさまざまなレポートを使い分ける。

フロイント産業は、1964年、現会長の伏島靖豊が 友人(Freund)と2人で起業し、現在国内2社、海外2社(米国・アイルランド)の子会社でグループを構成しています。主に製薬会社向けの造粒・コーティング装置などの製剤装置、医薬品添加剤、食品品質保持剤等の化成品を研究開発及び製造販売しています。造粒・コーティング装置とは、製薬会社の錠剤・顆粒剤を造る製造プロセスで、最も重要な工程を担います。製剤装置、化成品には、それぞれに競合会社はありますが、単独でこの両方の事業を行っている企業は、世界でも当社だけです。このビジネスモデルの中で各製品は技術革新を重ねつつ、製品群(ハード)と製剤技術(ソフト)へ発展してきました。製剤技術とは、高機能、高品質な薬の生産に関わる技術で、創薬技術(主薬の開発)と共に薬を世に誕生させる上での両輪となります。また、この技術は、最新型の栄養補助食品(サプリメント)にも応用されています。

上場して18年になりますが、IR活動を本格的に始めてからは、まだ2年半ほどです。金融機関の保有比率が比較的高い当社は、将来の金融機関の保有動向を考えると低株価のまま流動性が高まるリスクに対処する必要がありました。

当時を振り返ってみて、IR活動がもたらす効果は大きいと実感しています。決算説明会の参加者数は15人程度から100人近くまで増え、機関投資家向けに行う個別のワン・オン・ワンミーティングは年間10回程度から132回(昨年度)となり、時価総額も40億円台から170億円台まで拡大し、現在5社のアナリストにカバレッジされています。

当社のIR活動は、実質ゼロからスタートしたことから、IRとは何をするのかも分からず、日本IR協議会ほか可能な限り、さまざまな会合に出向き、情報収集に注力し多くの方からさまざまな知見を得ました。その結果、活動開始の数か月後には、当時の企業ステージに応じたIR戦略、IRストーリーが完成しました。

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