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実践!プレスリリース道場

販売目標を20万台に引き上げたヒット商品「ノンフライヤー」のリリース

フィリップス エレクトロニクス ジャパン「ノンフライヤー」

新聞や雑誌などのメディアに頻出の企業・商品のリリースについて、配信元企業に取材し、その広報戦略やリリースづくりの実践ノウハウを紹介する「リリース道場」。今回は、話題の大ヒット商品のリリースを紹介します。

革新性を伝えるフレーズ

私のもう一つの専門分野であるカレー業界では、今年のトレンドはカツカレーです。サクサクしたカツにルゥがからむ美味しさは永遠の定番商品ですが、気になるのは肉と油で高くなりがちなカロリー。私もささみ肉を使ったりして、少しでも低カロリーで済むレシピを提案しています。

そんな折も折、油を使わずに揚げ物ができるという商品が目に止まりました。フィリップス エレクトロニクスジャパンの「フィリップスノンフライヤー」。食材に含まれる油を利用し、熱風で揚げ物ができてしまいます。油分が最大80%カットできる上、調理や後片付けも簡単というまさに夢のような商品です。

2013年4月末の発売に先駆けて、2月6日に帝国ホテルで記者発表を催しました。掲載しているリリースは、その会見場で配られたものです。まず良いなと思ったのは、 タイトルに刺さるフレーズが散りばめられていることです。 「油を使わず美味しい揚げ物」や「脂肪分を最大で80%カット」などの言葉は、健康志向が高まっている今の日本人の興味を引きます。正直、レターヘッドなどはおとなし過ぎる気もしますが、これは親会社であるロイヤルフィリップス(オランダ)から統一のテンプレートが配信されているので致し方ありません。でも、そのおとなしさを補う破壊力がタイトルにはあります。

本文は「商品特性」と「開発の背景」の2点に絞りました。 前号の「ザクとうふ」ではマニアックさを伝えるために「開発コンセプト」が重要でしたが、今回は油分をカットする背景、すなわち社会的需要が訴えどころです。広報部の土屋美寿々さんもそこがポイントだと捉え、「週2回以上揚げ物を食べる人が65%」など内閣府による調査データを数字入りで引用し、時流に合った良質の製品であることをアピールしています。

添付資料は「商品特長」を9つのポイントにまとめて、小見出し+解説+ビジュアルの統一書式でわかりやすく説明しています。これは通常、ビジュアル要素が揃わないことが多いのですが、マークなども利用してほぼ全ての項目にビジュアルを入れたことで、見た目にも賑やかで楽しい印象を与えています。

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