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広報“私”流

「堂島ロール」の深夜配達を続けている理由

Mon cher(モンシェール) ブランドマネジメント室  上田彰室長

北新地でサービス学ぶ

ひと巻きのスポンジにたっぷりの生クリームが特長のロールケーキ「堂島ロール」。大阪のビジネス街の名前が付いたこのスイーツは、今や全国区の知名度を誇る人気商品だ。堂島のホテル内に1店舗を構えるのみだった2005年当時、地元のテレビ番組などで紹介されたのをきっかけにブームが起こり、「並んでも買えない」と評判に。今では東京や名古屋、札幌などにも進出し国内25店舗を構えるほか、海外展開も進めている。

広報・宣伝や店舗指導など「ブランドマネジメント」全般を統括する上田彰さんは、04年8月にアルバイトとして入社。当時は大学1年生だった。「まだ売れていない、普通のケーキ屋でした」と振り返る。

アルバイト時代は配達で鍛えられた。すぐ近くには、飲食店やスナックが立ち並ぶ大阪一の歓楽街「北新地」。ホステスらがお客に渡す手みやげとして、堂島ロールの注文を取った。店の営業時間は夜10時までだが、毎晩12時ごろまではデリバリーに対応した。一方、お客を喜ばせるホステスのプロとしての姿勢やホテル並みのサービスを目の当たりにし、「多くのことを学びました」という。

ブームの発端も北新地だった。タレント・芸能人らの間で評判となり、口コミのほかメディアでの露出につながった。堂島本店では今も深夜の配達を続けている。

彼は現在、日本のスイーツ業界全体が苦戦する中で手付かずだった広報やマーケティングの体制構築を急ぐ。安定して売れている堂島ロールだけでなく、「Mon cher」自体のブランディングや新しい商品の開発も課題だ。上田氏は「ブランドを体現するのは販売員」として全国の店舗を指導して回る。今年10月には関西初のサロン付き店舗を大阪・心斎橋に開店する予定だ。

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