パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が展開する「majicaアプリ」は、会員数3000万人に向けて、新規顧客の獲得と既存会員の離反防止を両立させている。その背景にあるのは、顧客の“ワクワク・ドキドキ”を生み出すマーケティング戦略だ。本稿では、PPIHマーケティング戦略本部 本部長・太田越氏の視点から、デジタルを駆使した「買い続けたくなる仕組みづくり」を探る。
ドン・キホーテ、ピアゴなどを運営するPPIHは2015年から、自社アプリ「majica」を展開している。「majicaアプリ」とは、PPIHの系列店・加盟店で利用可能なオリジナル電子マネー。その他、クーポンや、年間チャージ額で付与率がアップするランク制度に応じたポイント付与など、様々な機能を内包している。また、2023年からはPPIH系列店専用のレビューサービス「マジボイス」も搭載。用途の拡大を続けるアプリだ。
会員数は2025年1月現在で1600万人を突破。アプリ会員の構成比はおおよそ男性4割、女性6割。30代が最も多いが、直近は若年層に向けたプロモーションを実施していることから20代の会員も増加傾向にあるという。
さらに特徴的なのは、前述の1600万人という数字はアプリダウンロード数を指していないこと。個人情報登録まで完了させている人数が1600万人にのぼっている...
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