物価高の影響を受けながらも、PAPABUBBLEはV字回復を遂げ、売上高を倍増させている。その成長の鍵を握ったのは、単なる飴販売ではなく、職人によるライブパフォーマンスを軸にした体験価値の提供。さらに売上は店舗でのキッチンパフォーマンスの有無で大きく変わるという。目指すは「飴屋」ではなく「エンターテインメントブランド」だと話す代表取締役CEOの越智大志氏にその成功の背景に迫った。


商品力×技術×パフォーマンス
なぜPAPABUBBLEは好調なのか
飴専門店のPAPABUBBLEが、V字回復を遂げている。売上高は2022年から2025年で約2倍。利益も右肩上がりで推移している。しかし、2023年~2024年の新店オープンはゼロ。出店を拡大したわけではなければ、資金調達を行ったわけでもない。さらに市販のキャンディと比較しても高価格帯に位置するのにもかかわらず、この物価高の中でも成長を遂げているのだ。
PAPABUBBLEは、スペインで創業したキャンディ専門店。日本には2005年に上陸し、中野に1号店をオープンした。その後、大丸東京に旗艦店を設置。全世界で32店舗あるPAPABUBBLE店舗の中で、現在22店舗が日本に存在している。

中野店。店舗にはキッチンを設置。実際に職人がつくる様子を見ることができる(一部、キッチンがない店舗もある)。
PAPABUBBLEの特徴は、店舗に設置された飴づくり専用のキッチン。飴職人が消費者の目の前で実際に飴をつくり、出来立ての商品を買うことができる。さらに、ただ製造するのではなく、まるでエンターテインメントや劇場にいるかのようなパフォーマンスに力を入れているのもポイントだ。…