博報堂買物研究所は、企業の「売る」を生活者の「買う」から考え、理想的な購買行動を起点に次世代のマーケティング・ソリューションを開発する組織。ショッパーインサイト&リテールインサイトをベースとしたサービスを提供する同組織の生島岳氏は、2025年の買い物客をどう見るか。

AIエージェント元年とも言われる2025年。すでにECの分野でも、AIエージェントを活用した“対話型”AIチャットなどが広がりを見せています。特に高額商材などでは、AIが提供する精度の高い情報をきっかけに商品に興味を持ち、リアル店舗を訪れる動機が高まるといった購買行動も予測されます。
AIエージェントとの暮らしが「リアル店舗の価値」を再定義
その一方で、博報堂買物研究所の調査では、「AIに購入意思の決定を任せたい」と答えた人はわずか5%。AIの利便性は理解しつつも最終的には自分で商品価値を実感して商品を購入したいと考えているショッパーが多いのです。それを踏まえると、基本的な商品情報はAIから収集して、商品価値は自分で体験するためにリアル店舗に来店する人が増えると予想します。AIエージェントは単なる買い物の利便性向上にとどまらず、リアル店舗を「確認の場」から「価値を実感する場」へと進化させる可能性を…
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