来店誘因のためイベント多数実施
地域になじむ出張本屋や選書活動も
雑貨販売や棚貸しで収入を複層化

店奥にある小上がりと店主の小谷輝之氏。小谷氏は出版業も続ける。「お客さまがいらっしゃらない時はレジカウンターの奥で編集作業をしています。書店もひとり、編集も自分の出したい本を刊行するのでストレスは全くありません」と話す。
京浜急行の梅屋敷駅を降りて、大田区の下町情緒も漂う駅前商店街を西に向かい数分、右に曲がると細い道の向こうに見えてくる書店が「葉々社」。長く出版社に編集者として勤務した小谷輝之氏が2022年4月にオープンした店だ。この地には新刊書店が数十年なかったという。
地元の小書店といったサイズの店内には人文科学や社会科学系、海外文学の書籍が目立つ。戦争や貧困、ジェンダーをテーマとする棚もある。
リアルとオンラインの売上冊数比率はおおよそ7対3。...
あと80%