POP広告や什器は、店舗のディスプレイや商品販売において欠かせない重要な役割を果たす。本記事では、数多くのPOP広告を研究してきた向坂文宏氏の視点から、“よい”什器やPOP広告について深掘り。消費者にとって魅力的で購買意欲を引き出すデザイン、制作コストやデザイン性、さらには小売業者にとって使いやすい機能など、さまざまな観点から“よい”什器やPOPの条件を再考し、効果的な制作のヒントを探る。
売り場を彩るPOP広告・什器
コロナ禍を境に、消費者の買い物環境は大きく変化しました。店頭のDXが急速に進み、オンラインとオフラインを融合させたOMOによる購買行動が広がりを見せました。その一方で、成長が期待されていたEC市場は、消費者がオンラインと実店舗を使い分けるようになったことから、近年は緩やかな伸びにとどまっています。
実店舗で買い物をする人々は、商品の実物に触れたり、試したり、接客を受けたり、その場で商品を受け取ったりすることを重視しています。そこで、消費者が実店舗で商品を選ぶ際に大きな影響を与えるのが、POP広告です。これは、販売促進を目的として店舗や売り場に設置される広告や展示物のことを指します。また、什器とはその商品を陳列・展示するための器材で、商品の視認性を高め、その魅力を際立たせるものです。
しかし、…
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