花王が2024年4月にローンチしたヘアケアブランド「melt」。同ブランドは、休みながら美しさを手に入れるという新習慣「休息美容」をコンセプトにしている。発売後の売上は好調で、その理由には“セルフケア”をテーマにしたブランドづくりがあるという。生活者間で“ご自愛消費”が浸透する中、そのニーズに応える商品を提供する新ブランドの戦略について、花王の服部有香氏に聞いた。
1920年代にヘアケアの研究を本格的に開始した花王。その後、固形シャンプーを発売し、日本の洗髪習慣をリードしてきた。
ハイプレミアム市場に着目 ヘアケアの時間を「ご褒美」に
そんな同社が、2024年に着目したのは、国内のヘアケア市場で急速に成長している「ハイプレミアム」市場だ。ハイプレミアムとは、シャンプー本品が1400円以上の価格帯に位置する製品群を指す。近年、ヘアケア市場全体においてハイプレミアム商品の割合が増加しており、新たなトレンドとして注目が集まっているという。花王は、市場成長を受けて新たな製品開発に注力。その一環として、既存ブランドである「メリット」や「エッセンシャル」のリブランディングを実施。さらには、新たにブランドも立ち上げ、その第1弾として「melt」を発売した。
同社でmeltを担当する服部有香氏は、ブランドの誕生背景について次のように説明する。
「ヘアケアにおけるハイプレミアム市場は拡大傾向ですが、...
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