訪日観光客のインバウンド需要に対応すべく、様々なプロモーションを行う日本企業が増えている。しかし日本は災害の多い国。訪日観光客を迎えるにも、安全性を確保するための取り組みが必要だろう。各企業が訪日観光客の安全性を確保するために取り組むべきことについて、観光レジリエンス研究所代表の髙松正人氏が解説する。
地震や津波、台風や豪雨に伴う水害、火山噴火などの自然災害が起きると、インバウンド旅行者は様々な影響を受けます。彼らの多くは、日本で災害がよく起きることを知っていても、実際に災害を経験すると、どのように自分自身や同行者の安全を確保したらよいかわからず、恐怖と不安でいっぱいになってしまいます。地震のほとんどない国から日本を訪れている旅行者は、地震が起きても、それが「地震」だということさえわからないこともあるのです。
簡単な言葉と手振りで安全確保の行動を伝える
店舗や施設の営業中に災害が発生した場合にまずスタッフがすべきことは、その場にいるお客さまへの「身を守る行動の指示」です。
日本人であれば、大きな地震の揺れを感じたらすぐに体を低くして、落下物から頭を守り、揺れが収まるまで動かないという行動が習慣づいているでしょう。
一方、外国の方は、突然の地震の揺れにどうしてよいかわか...
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