家電量販店といえば駅前に設置された店であれ、郊外のロードサイド店であれ、大規模な店舗展開が印象的だ。とりわけロードサイド店はドミナント戦略をとり、店舗数の拡大に注力していた数年前から一転、昨今の潮流は「スクラップ&ビルド」にあるという。電波新聞社報道本部長の水品唯氏によると、その背景にあるのは売上から利益重視へのシフトだという。
家電量販店の業界では、最近は事業の中核を担う店舗のことを「旗艦店」という言葉を用いて説明されることが少なくなっています。たしかに昨今は、一部の企業が「この店舗は旗艦店として位置付ける」と公言することもある印象ですが、「旗艦店」と呼ぶかどうかは、企業の色に左右されることが多いという所感をもちます。
では「旗艦店」と呼ばずして、どのように大型店の存在をうたっているのかというと、これも各社によってさまざまです。
例えば、家電量販店トップのヤマダホールディングス(HD)だと「○○本店」というように「本店」という言葉を使っています。ケーズHD(ケーズデンキ)やエディオンも同様です。一方、関西を中心に強い人気を誇る上新電機は「○○1ばん館」と呼んでいます。
本記事では、このような各社事業の中核を担う店舗を「旗艦店」と呼び、昨今の潮流を探っていきます。
ロードサイドとレールサイド売り場展開はどう違うのか
まず、家電量販店の出店形態には「ロードサイド店」と「レールサイド店」の大きく2つが存在しています。ロードサイド店は、郊外な...
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