販売促進の専門メディア

           

いま、旗艦店が担う役割

旗艦店の役割は「体験提供」へ デジタルへの注力で再認識した実店舗の価値

村上 要氏(WWDJAPAN)

販売の中核を担う重要な店舗として運営される旗艦店。アパレルやビューティーの業界でも、コロナ禍以降に旗艦店と位置付ける出店が相次いでいる。そんな昨今の事例から見えている1つの潮流は “体験の提供” だと『WWDJAPAN』編集長の村上要氏は話す。トレンド化している背景を解説する。

アパレルやビューティーの業界にとって旗艦店というお店の存在は、販売の中核を担う、代表的な店を指します。複数店舗を展開している企業・ブランドにとっては、最も重要と位置づけられるお店です。時代が変わっても「商品を売り、売上を立てるための店」という本質的な役割は変化していない印象を持ちますが、もちろん全く変わらないわけではありません。

では何が変わったのかというと、それは「ブランドを体験する場」としての役割を持つようになったこと、と私は考えています。変化というよりは、各社が旗艦店に求めている役割のトレンドとも言えるのかもしれません。

誰もが入りやすいお店へ キーワードは「没入体験」

そもそも十数年前、とりわけラグジュアリーブランドが手がける旗艦店といえば、来店する人を選ぶような雰囲気さえ醸し出すほど荘厳な店舗が多い印象でした。ラグジュアリーとしての威厳を店舗で表現するかのような店構えが多かったです。

このトレンドが落ち着き、次なる変化があったのはコロナ前。今から数年ほど前のことでした。先ほど述べた厳かな店構えとは打って変わって、入りやすい雰囲気のお店が旗艦店としてオープンし始めたのです。…

あと80%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

いま、旗艦店が担う役割 の記事一覧

編集部が注目!特集で取材した旗艦店マップ
ロフトの旗艦店戦略 キーワードは「時の器」、時流を捉えた売り場とは
3COINS、旗艦店の存在価値とは ブランドのラボとして全店をけん引すること
急拡大の欧州発ブランド コスタコーヒー流の日本進出戦略 旗艦店が提供する「Uplift」な体験
なぜコンビニが旗艦店? 「コンボストア」で得意を伸ばす
功を奏した、期待感を持たせる店舗演出 売上は出店計画時目標の190%と絶好調 「この場所にしかない」を集めたグラニフ旗艦店
創業100年でヒロタ初の旗艦店 「売るだけの店」から脱却目指す
モンベル史上最大の売り場面積 体験要素を散りばめアウトドアに触れるアクセスポイントに
コメ兵初のZ世代向け旗艦店 狙いはロイヤル顧客の育成
米・老舗楽器メーカーの世界初旗艦店 日本限定の体験づくりで年間30万人超が来店 目指すはフェンダーとプレイヤーのインタラクティブな空間
家電量販店、売上から利益重視へ 新店オープンの背後に「スクラップ&ビルド」
ECが普及しても「リアル重視」は変わらない デジタル時代、アパレル企業が旗艦店に求める役割とは
旗艦店の役割は「体験提供」へ デジタルへの注力で再認識した実店舗の価値(この記事です)
【戦略立案】もし関西に拠点がある架空の総合スーパーA社が、東京に旗艦店を出すなら?
ブランディングと売りがデジタルで完結する今、企業は「旗艦店」にどんな役割を託しているのか
販促会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する