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REPORT

「社員こそが一番近くの顧客」 ゴールドウインが取り組む顧客理解

山屋光司氏(ゴールドウイン)

ユーザーに愛される製品やサービスを生み出すための必須要素である、顧客理解。スポーツやアウトドアなど多数の分野で、70年以上にわたって熱狂的なファンを作り続けてきたゴールドウインにとって顧客理解とはどういうものなのか。ゴールドウインの山屋光司氏が解説する。

私たちゴールドウインは、アスリートから一般のスポーツファン、そしてライフスタイルファッションまで、幅広いお客さまを対象にして、数多くのブランドを展開するスポーツアパレルメーカーです。1950年に富山県で創業して以来、時代ごとに変わりゆく顧客の価値観に寄り添いながら、より満足度の高い製品を生み出すべく努力してきました。

非言語的で直感的な体験を軸に、顧客の心に寄り添う

「人と自然とが理想的な関係を築ける環境をデザインする」という目的のもと、直近の2022年には東京ミッドタウンや富山県の富岩運河環水公園にて「ゴールドウイン プレイアースパーク」というイベントを企画・開催し、連日多くのお子さん連れのご家族にご来場いただきました。

これはコンセプト体験型のアート空間イベントであり、地球を構成する「地・水・火・風・空」といった5つのエレメントをテーマに建築家に遊具を作成してもらったのですが、汗だくになりつつ、それらの遊具で夢中に遊ぶ子どもたちの姿を見て、「身体を動かすことの楽しさ」が直感的に伝わったのではないかと感じています。

ゴールドウインはこの「プレイアース」という言葉を、今回のイベントのコンセプトにとどまらず、我々らしいスポーツの捉え方としても位置づけています。スポーツは言葉を超えて人々がわかり合えるノンバーバルコミュニケーションであり、言葉を介さずに同じ時間と場所で共通のルールのもと、お互いを高め合っていける、そんなものだと考えています。

約2カ月間にわたって開催されたこのイベントは、全ての現場スタッフをゴールドウインの社員が担当しました。本社勤務の上位役職者から、全国のショップ店員まで、幅広い社員が一丸となってイベントを成功へと導いたのです。この「社員で運営した」という点については関係各社の皆さんからも驚きの声をいただきました。こういった運用の柔軟さも、ゴールドウインならではの特色だと感じています。

東京ミッドタウンで開催した「GOLDWIN PLAY EARTH PARK」。子どもを主な対象としたコンセプト体現型のアート空間イベントを企画し、5組の建築家が設計した遊具を設置。直感的にスポーツの楽しさを感じてもらった。

街のカラーに合わせた直営店を作り、顧客に違ったワクワク感を用意する

私たちは現在、19のブランドをマルチに展開しています。皆さんもご存じの「THE NORTH FACE(ノース・フェイス)」や「HELLY HANSEN(ヘリーハンセン)」に加えて、今年...

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