日本航空(JAL)ではビジネスや旅行で飛行機を利用する際、顧客にJALを第一想起してもらうために、日々SNS等でコミュニケーションを行っている。日本航空 広報部(講演当時)の山名敏雄氏が「顔が見えるソーシャルメディアコミュニケーション JALの事例紹介」について解説する。
私は2016年よりSNSを活用したコミュニケーションの企画をしています。多くの方にとってビジネスや旅行で飛行機を利用するのは、おそらく年に数回程度なのではないでしょうか。JALを含め、航空会社は社名は知られていても、ブランド体験をする機会が極めて少ないのが現状だと思います。
そのため、いざ予約する時にJALを第一想起していただけるように、当社ではSNSやコミュニティを活用して1日1回お客さまとコミュニケーションを取る活動をしています。
きっかけは再生に向けた感謝の気持ちと取り組みを発信したい想いから
Facebookについて
当社ではFacebook・Instagram・Twitter・TikTokを活用しています。SNSの中ではまずFacebookを最初に立ち上げました。きっかけは2010年の経営破綻です。経営再生のチャンスをいただくことができましたので、皆さまへの感謝の気持ちと再生に向けて取り組んでいる様子を、何とか発信したいと社内の有志が集まり2011年にスタートしました。
開設2日目には、東日本大震災から1カ月後、陸路がほぼ遮断された状態のなか、小型機で山形空港に出発する前の機長の思いと写真を投稿しました。Facebook越しとはいえ、実際に顔を出して、自分の言葉で語りかけると、お客さまも非常に身近な存在として捉えてくださり、隣のおじさんに話しかけるようにフランクにコメントをしてくれました。この投稿は私たちが目指すお客さまとのコミュニケーションのお手本として今でも参考にしています。
これまでの経験をもとに、コメント欄を活性化するために工夫した投稿、失敗した投稿例を紹介します。Facebookは閲覧者に年齢層が高い方が多いので、大喜利のような投稿は比較的受けがいいと思っています。また「機長・整備士等、普段見ることがない社員の働く姿」など会社に親近感を持ってもらう投稿も好評でした。「クリスマスなど季節感のある投稿」に関しては、当日はいろいろな企業も同じことをするので、私たちは前日に「明日はクリスマスですね」と投稿して差別化を図っています。
次に反省点ですが、❶集合写真は全員並んだカメラ目線は避けたほうがいいと思います。 ❷写真がきれいすぎるとプロモーション感が強く出て、広告と間違えられるケースがあり、反応が良くない傾向になります。
Facebookを活用する際には、お客さまのコメントにきちんとリプライを返していくことが非常に重要だと感じています。投稿本数を...