販売・接客の現場で活躍する、キーパーソンに迫る本企画。今回は、Alpen TOKYOでランニングアドバイザーを務める寺島俊之氏を取材した。自身の体験を生かした的確なシューズ選びとアドバイスで、顧客が抱える問題を足元から解決する寺島氏。その根底には、運動を少しでも長く楽しんでほしいという思いがあった。
綿密なヒアリングで情報を取得
目的と骨格に合った商品を選定
──経歴と業務内容を教えてください。
アルペンに勤めて、今年で31年目になります。中学・高校・大学と陸上部に所属し、高校は体育科、大学は体育大学で、人体の機能や運動に関する勉強をしてきました。現在はグループ最大の旗艦店「Alpen TOKYO」にて、ランニングシューズの販売を行っています。
元々実家が蕎麦屋を営んでおり、接客業というものが身近にありました。幼少期からお客さまが喜ぶ瞬間を目にしてきたからか、自分自身も好きな分野を通し、人を笑顔にしたいという想いがあり、ランニングシューズ販売の仕事を選びました。
──適切なシューズを選ぶために、顧客とどのようなコミュニケーションをとっていますか。
お客さまからは、会話と計測の両面で情報を取得して、適切なシューズ選びに繋げています。特に会話は重要です。競技用か軽い運動用かなどの使用目的、走る距離や時間の長さなどを聞き出すようにしています。シューズはどれも同じように見えますが、実は目的によって全く違います。
目的と異なるシューズを履き続けるとケガに繋がる恐れや、骨格に影響を及ぼす可能性があるため、そこは入念にヒアリングしていますね。その上で、足のかたちなどを計測したデータを活用して、今あるモデルの中から最適なシューズをお薦めしています。選んだシューズを履いてもらい、軽く走って「気持ちいい」と思ってもらえたらOKです。
納得感ある説明と悩みの解消で支持される販売員に
──会話の際、気を付けていることはありますか。
なるべくお客さまから言葉を引き出す、ということ...