卸売業に聞く、バイヤーに響く 企画・企画書の作り方
生活者の購買行動が多様化し、小売業もそれに伴った変化が求められている。そうした中、バイヤーから求められるメーカーの提案とはどのようなものか。卸売業の立場から、小売業の現状と提案のポイントについて、国分グループ本社の古城尚子氏に話を聞いた。
テレビ番組での本物のカニとの食べ比べが話題になり、2022年には「日本ネーミング大賞」を受賞した「ほぼカニ」。さらに同年、練り物部門全体で販売額年間1位※になるなど、いまや定番の商品となっている。販路拡大やバイヤーへの提案時の工夫など、定番化のための戦略をカネテツデリカフーズ マーケティング部の一柳圭氏に聞いた。
※ 日経POS+RDS(全国)販売金額 練り製品商品中(カネテツデリカフーズ社定義)
期間:2022年1月~2022年12月
カネテツデリカフーズ
マーケティング部 部長
一柳 圭氏
ミツカン(現Mizkan HD)に入社し、販促企画・商品企画・宣伝・メニュー開発・産学連携・量販営業を担当。MBA取得後、カネテツデリカフーズにてマーケティング部を立ち上げ、現在はマーケティング全般を統括。
この商品は2014年に、当社ではあまり伸びていなかったカニカマというジャンルを伸長させるために開発が始まりました。当時、ちょうどカニが高騰していたこともあり、もっと手軽にカニを買えるようにできないか、ということから考案された商品です。発売当初は苦戦を強いられましたが、テレビ番組で認知が広がり一気に販売が拡大。当社は関西が拠点のため、関西圏を中心に口コミで評判が広まり、売上が徐々についてくるようになりました。
関東の店舗で置いてもらう際には、販売していないエリアの店舗と交渉し、トライアル的に商品を置いてもらう、ということをしました。まだ関東では新規性がある商品だったので、バイヤーにとってもおもしろい商品として受け入れてもらえました。自身で発見した商品が売れると、バイヤーの実績になり評価も上がる。関西でできた実績を見せつつ、バイヤーを上手く味方にしながら販路を拡大していきました。
最近は食品メーカーとのコラボレーションも積極的に着手しています。お客さまからのアンケートなどを基に当社でメニュー開発をし、そのメニューと相性のいい商品を販売しているメーカーさんにコラボの提案を行います。これまで永谷園さんやミツカンさんなど...