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消費者ニーズを見据えたメーカーの売り場提案

その商品が『市場に何をもたらすか』「刺さる」流通提案の必須事項

塩見亮介氏(花王グループ)

自社の商品を少しでも多く売り場に並べるため、メーカーは試行錯誤している。「消費者起点」を重視する花王は、トレードマーケティングにおいても顧客視点を第一に掲げ、流通提案を行っているという。花王グループカスタマーマーケティング・トレードマーケティング部の塩見亮介氏に、施策の考え方や流通提案時の伝え方について聞いた。

花王グループ
カスタマーマーケティング
営業部門
トレードマーケティング部
塩見亮介氏

2007年入社。関東エリアにて、営業として主に、大型スーパーやホームセンターなどの店舗や本部を担当。2020年より、現在のトレードマーケティング部にて、ビオレを中心としたシーズンカテゴリーを担当。ブランド価値の提供に向け、販売戦略の立案に取り組む。

変わるニーズを素早くキャッチアップし施策に反映

──どのような業務を担当していますか。

花王グループカスタマーマーケティングで、トレードマーケティング部に所属しています。商品としては「ビオレ」の日焼け止めやデオドラントなど季節性のあるものを担当しており、花王本社で開発・製造した商品の事業戦略を、流通さま向けの販売戦略に落とし込み、営業担当とともに各小売への提案方法を検討しています。また、各営業から挙がる流通さまの声や消費者の声をキャッチアップし、花王本社へのフィードバックも行っています。

──コロナ禍を経て、流通を取り巻く環境に変化はありましたか。

これまで以上に消費者の求めるものが多様化しました。例えば日焼け止めでは、コロナで外出が減り、以前よりもしっかりとメイクをする機会が減ったことで、日焼け止めをベースメイク代わりに使用する人が増えた。そのため、日焼け止めに光拡散(肌を明るく見せる)機能などを付加し、化粧品代わりに使用できるような商品が増えています。このように、消費者のニーズの変化を受け、発売される商品にも変化がありました。

消費者ニーズを把握することは、流通さまにとっても売上に直結する重要なテーマです。しかし、ニーズは多様化したうえ、目まぐるしく変化します。例えばハンドクリームは手指衛生の習慣化により、手荒れ予防や除菌もできる商品などが多く並んでいましたが、徐々に美容価値を付加させた商品に変化してきています。流通さまからは、そういった潮流に合わせた品ぞろえを求められる。そのため、私たちメーカーがしっかりと市場背景や環境要因を理解し、お伝えすることに価値があると思っています。

消費者ニーズの把握は多くの企業にとって...

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