意図に沿った企画立案に 全課題の誌上オリエンテーション(3)
第15回「販促コンペ」で企画を募集する課題は全20課題です。協賛企業各社が求める企画の目的や、市場状況、ターゲットなどに加え、表現上の注意点などをまとめました。企画立案に役立てていただきたいと思います。
マーケティング上の効果を見込める斬新なアイデアを審査・表彰する「販促コンペ」。選考基準として重要視されているのが「実現する可能性が高い企画であること」だ。これまでも複数の優れた企画が実際のプロモーション施策として世に出ている。昨年、Koala Sleep Japanの協賛企業賞に輝いた企画「この寝心地は、事件だ。」もその一つだ。
第14回販促コンペでKoala Sleep Japanが出した課題は「誰もがコアラマットレスで寝てみたくなるアイデア」だった。一見シンプルに思える内容だが、同社マーケティングディレクターの尾澤恭子氏は課題意図を次のように語る。「マットレスの特性として、実際に寝てみるまで寝心地のイメージがわきにくいことがあります。そこで、お客さまに寝てもらわなくても、商品の特徴や感動を伝えられるアイデアを探していました」。
オーストラリア発のベンチャー企業であるKoala Sleepといえば、これまでもiPhoneで撮影した動画(『コアラマットレス』の上にワインの入ったグラスを載せ、マットレスの上で創業者の2人が飛び跳ねてもグラスはピクリとも動かないというもの)がSNSで爆発的にヒットするなど、ユニークなクリエイティブが注目されてきた。日本支社のKoala Sleep Japanでも、自分たちでユニークなアイデアを出し、インハウスで迅速にコンテンツにして世に出すことを心がけているという。
一方でインハウスでのアイデア出しやコンテンツ制作に課題も感じていたという。「おもしろいアイデアは出てくるが、それが実際に売上にどう影響を与えるのかまでを考えられていませんでした」(尾澤氏)。そこで、「本当に人が動くかどうか」のリアリティを審査基準としている販促コンペで企画の実現を前提にアイデアを募り、社内での「売るためのアイデア」に対する意識変革を促す目的もあったという。
今回...