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小売・サービス業のSNS活用術

第一世代の『中の人』が語る 共感を醸成するコミュニケーション

本田浩一氏(ハンズ)

2009年からTwitterで企業アカウントを開設したハンズ。公式アカウントの代表例として、その運用方法が常に注目を集めてきた。アカウント開設当時から“中の人”として活躍する本田浩一氏に、改めて企業がSNSを活用する意義とユーザーの変化について話を聞いた。

社名変更によりアカウント名を変更した際、Twitter公式認証ルールとの狭間で翻弄されるアカウントの悲哀を利用した自虐ネタでコミュニケーション。

友達のような関係性で共感が醸成される

──ハンズと言えば、Twitterの企業アカウントの中でも老舗ですね。

Twitterが日本版のサービスを開始した翌年、2009年からハンズのアカウントを開設しました。当時はシステム部門に在籍していましたが、Twitterの可能性を感じた上司から担当を命じられ、Twitterの中の人として14年目になります。現在は“兄”である私以外に“妹”と“次女”の3名で分業しながら運用しています。

──店舗ごとのアカウントを含めハンズ関連のアカウントは複数ありますが、どのような運用を行っていますか。

大きな区分として、私が担当している「みんなのハンズさん」はヒト、「ハンズネット」はモノ、「ハンズ広報」のアカウントではコトの発信をしています。店舗にとって店頭自体が重要なメディアなので、各店舗のアカウントではより多くの方に店頭の様子を知っていただけるような内容を投稿しています。

「『みんなのハンズさん』はヒト」と述べましたが、アカウントの開設から一貫して「共感を醸成する」ことを目的に運用しています。SNSが登場するまでのコーポレートコミュニケーションは、リリースの配信など一方通行のものが主流でした。また、発信してもお客さまにどのように伝わっているかわかるまで、時間がかかっていました。しかし、発信すれば顧客から返信がくる、という双方向のコミュニケーションがSNSで実現したことで、企業は顧客と同じ目線で発言することがより求められるようになったと感じています。

そのため、中の人として考えているのは、ユーザーとは常に、友達のような関係性でいたいということです。宣伝ばかりで、商売の匂いがしてしまうと、ユーザーは信用してくれません。一方、普段の生活の中で友達に薦められたものは信頼できるし、その言葉にも共感します。企業のTwitterも同じで、大事なのは公式アカウントを“友達”だとユーザーに認識してもらう...

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