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ユーザー目線の「ECサイト」チェックポイント

「読まれない」前提で書く!サイトを使いやすくするUXライティング

宮崎直人氏(Paidy)

情報があふれるデジタル環境の中で、ユーザーに選ばれ、読まれるECサイトをつくるにはどのようなことを意識すべきなのだろうか。ユーザー視点のライティングを行い、UXを改善するための言葉選びやテキストの書き方について、Paidyの宮崎直人氏が解説する。

私はこれまで、数々のECサイトやアプリのUXライティングを担当してきました。現在は、70万店舗以上のECサイトで導入されている決済サービスを提供する会社で、同じくUXライティングを担当しています。

今後、ECサイトの体験設計において、UXライティングの需要はさらに高まると考えられます。なぜなら、ECサイトの競争がさらに激しくなる中で、ユーザーを最適なかたちで購入に導き、売上に繋げるには、サイトの「使いやすさ」が重要な指標となり、そのためには「言葉の戦略」が必要不可欠だからです。

UXライティングとは何か

「UXライティング」という言葉について、私は次のように定義しています。

UXライティングとは
ユーザーが製品やサービスを快適に利用できるように、言葉を中心としたコミュニケーションを設計すること。

具体的には、ECサイトであれば、UIの見出し、説明文、ボタン文言、エラーメッセージから、メール、アプリのプッシュ通知、FAQまで、ユーザーとの接点となるあらゆる言葉がUXライティングの対象となります。これらすべてに対して最適な言葉を設計することで、会員登録から、商品の検索、注文、支払い、受け取りまで、摩擦なくスムーズに完了できるようにサポートすることが、UXライティングの役割です。

ユーザーはテキストを読まない

UXライティングに取り組む上で、絶対に覚えておかなければならないことがあります。それは、「ユーザーはテキストを読まない」ということです。ユーザーがテキストを読まないことは様々な研究で言及されていますが、UXの領域でよく知られているのが、ウェブユーザビリティの第一人者であるヤコブ・ニールセン博士が書いた『ユーザーはいかにテキストを読まないか*1』というコラムです。

※1 U-Site『ニールセン博士のAlertbox ユーザーはいかにテキストを読まないか』,
https://u-site.jp/alertbox/20080506_percent-text-read,
「読まれるテキストの割合」,2008年5月

図1のグラフの通り、文字数が多くなればなるほど読むテキストの割合は低下し、1200ワードを超えると20%程度になっています。

図1 平均的なページ滞在の間にユーザーが読むことができたテキスト量の最大値
出典/U-Site「ニールセン博士のAlertbox『ユーザーはいかにテキストを読まないか』」

あと60%

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