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インバウンド、店舗DXのトレンドを予測 企業座談会

店舗DXへの取り組み最前線

山口修平氏(東急ストア)、成田昌義氏(ファクトリージャパングループ)

DXの必要性が叫ばれ、小売業、サービス業でもDXへの取り組みが加速している。ここでは、特にDXへ注力している東急ストアとファクトリージャパングループの2社に、どのような取り組みを進めているのか、また、今後の展望について話を聞いた。

「攻め」と「守り」店舗DXへの取り組み

──まずは担当されている業務について教えてください。

山口(東急ストア):私たちはお客さまの日々の暮らしに役立つスーパーマーケットとして、東急線沿線を中心に「東急ストア」「東急ストアフードステーション」「プレッセ」「フレル」など92店舗を展開しています。私は現在、ウィズコロナという状況下で店舗の支援システム全般の改革をしています。DXは、よく「攻めのDX」と「守りのDX」を分けて考えられますが、2021年は守りの部分である業務の効率化や業務プロセスの抜本的改革を行ってきました。2022年は「攻めのDX」への取り組みも積極的に進めています。

成田(ファクトリージャパングループ):当社は「KA・RA・DA factory」(以下カラダファクトリー)という整体・骨盤調整をベースにしたカラダと健康の総合サロンを中心に国内外で350店舗以上を展開しています。2019年の入社に伴い情報システム部を立ち上げ、IT化の基盤を整えています。

──具体的なDXへの取り組みについても紹介ください。

成田:現在取り組んでいることはDXによる業務の効率化と顧客満足度の向上です。例えば、各店舗運営は整体師の皆さんが行っていますが、全社施策や施術ナレッジの共有をタイムリーに行うために独自の社内ポータルを開発しました。

整体師が施術や接客に集中できるよう、ビジネスライクのパッケージ製品ではなく、スマホ閲覧の最適化に特化し、すぐに目的の情報にアクセスできるよう整備しています。また、お客さまの顧客シートを紙管理から「電子カルテ」システムに変更したことも大きな変化です。

私たちはお客さまの健康をサポートする、“世界一のおせっかい集団”であるべきだという、行動指針を掲げ実現しています。お客さまからのヒアリング内容や過去の施術を電子化することで、店舗や担当者が変わった場合でも、お客さまに寄り添うサービスが提供できるようになりました。今まで紙の顧客シートを探すことに費やしていた時間なども勘案すると、30%ほど業務の効率化に繋がっています。

また、私たちには「KA・RA・DA 365」というプロジェクトがあり、これは施術はもちろん、サロンに来られない時間にもお客さまに寄り添える最適なパーソナルボディケアを提案していくというものです。そのプロジェクトの一部分はスマホアプリを通じて進めています。具体的にはお客さまのお身体の状態とお悩み、また段階に合わせ、ご自宅やオフィスなど朝・昼・晩の様々な生活シーンの中で変化する身体に合うセルフケア方法・セルフ整体動画・ホームケアグッズのアドバイスをするというものです。

山口:今年は実証実験を含め、新しい取り組みを進めてきました。2月に、店員休憩室内ではありますが、無人決済店舗をオープンしました。インナー向けでの無人店舗販売モデルとしては一定の評価もできますが...

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