企画には事前準備が必須です。ゲームやキャラクター関連商材を長年担当してきた私にとって、最も重要な準備は「商材理解」です。今回は「商材理解」も含め、私自身が実際に行っている具体的な企画ステップについて書いていきます。
Level2
広告に世界観を反映させる
前回のコラムでは「商材理解」の重要性について書きました。そして、今回は具体的な企画ステップをまとめていきます。事業会社・広告会社で企画に携わる方も、販促コンペの参加を検討している方も、企画の合間にでもご覧いただけたら幸いです。
▶︎私が惹かれる企画
私は、“その商材の世界観が反映されている”と感じる企画に惹かれます。あくまでも一例ですが、『ONE PIECE』のプロモーションで行うイベントであれば、「宴」を模したものであったり、『ドラゴンボール』のプロモーションで行うSNS企画であれば、「元気玉」を模したものであったり⋯⋯と、その商材“だからこそ”を感じるものが好きです。
販促会議2022年8月号でも取り上げた『星のカービィ』×『特茶』のコラボWebCMは「たくさんのモノを吸い込んでいるのに体型が変わらないカービィの体内を見てみよう」というもので、「カービィらしさ」と「特茶らしさ」を両立させた見事なタイアップでした。
商材というよりもタレントの話になりますが、『ペプシ ジャパンコーラ』が実施した「#本田とじゃんけん」も好きなキャンペーンです。本田圭佑選手のキャラクターとTwitterインスタントウィンの組み合わせが秀逸で、「本田選手とのじゃんけんであれば、連続で負けたとしてもなんだか納得してしまう」と感じさせるところがうまいと感じました。
▶︎2つの要素を組み合わせる
「アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」という言葉があります。ジェームス・ウェブ・ヤング氏が著書『アイデアのつくり方』にて遺したものですが、日々の業務で数多くの広告に触れるなかで、それを実感することは多いです。上述した事例は、①商材などの内部要素と ②様々な外部要素をうまく組み合わせたものであると思います。
①内部要素/商材の要素
商材のUSPともいえる強みや特徴、世界観といったもの。上述した『星のカービィ』の事例であれば「たくさんモノを吸い込む」という部分です。詳細は前号を見ていただければと思いますが、自分で徹底的に体験してみないと、この要素の取捨選択は難しいかと思います。