1997年に始まったANAマイレージクラブ。時代の変化とともに必要な要素を加え、現在ではフライトなどの非日常シーンのみならず、決済などの日常生活でもマイルをためる・使うシーンが広がっている。ANAマイレージプログラムを統括するチームの責任者である樋口義洋氏に話を聞いた。
顧客体験価値最大化の重要な機能
──「ANAマイレージプログラム」について教えてください。
コロナ禍によってANAグループを取り巻く環境は大きく変化しました。それまでの航空一本足の事業構造から脱却し、非航空事業の拡大に向けて、現在様々な事業改革を行っています。その一端として、航空や旅行など非日常の利用だけでなく、日常でもマイルをためる・使う機会を拡充して「マイルで生活できる世界」の実現に向けて取り組んでいます。
そのため、当社は4つの機能(マイレージプログラム機能、決済機能、データベースマーケティング機能、顧客コミュニケーション機能)を軸に、様々な事業・サービスが相互に作用することで、お客さまの体験価値を上げていくという構想を持っています(図表)。「ANAマイレージプログラム」は、お客様の体験価値の最大化を目指すための重要な機能のひとつです。
──「ANAマイレージプログラム」が始まった経緯を教えてください。
1993年にマイレージサービス「プログラムA」を国際線に導入。1997年には国内線にも採用され、ANAマイレージクラブが発足しました。
マイルは「フライトや旅行でためる・使う」方法と「日常生活でためる・使う」方法があります。
フライトでは、ANAやスターアライアンスを含む提携航空会社の利用でマイルをためたり、マイルを特典航空券に交換したりすることができます。
また、当社主催の旅行商品でもマイルがたまり、一部商品ではマイルが使える他、SKYコインに交換することでお得に...