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リテールメディアの最新活用術

なぜ今、リテールメディアが注目されるのか

稲森 学氏(アドインテ)

WalmartやAmazonなど、海外の流通主要企業がメディア化に取り組んでいる。日本でもDX化が進むにつれ、メディア化に取り組む店舗が増え、「リテールメディア」は注目を集めている。なぜ今、リテールメディアが注目をされるのか、リテールテックカンパニーのアドインテ COOの稲森学氏が解説する。

リテールメディアというキーワードが、国内でも様々なメディアで注目されるようになってきましたが、過去のリテールメディアのイメージは、Webサイトにキャンペーンのバナーが掲載されたり、デジタルサイネージを設置し、広告が流れたりしているだけというものでした。しかし、現在においてリテールメディアという領域はもっと進化しており、最近の米国の事例を見る限りでは、とても広義な意味合いを持つようになってきています。

ID-POSデータや会員情報を基盤とし、一口に「リテールメディア」と言っても様々な活用法がある。

飛躍的な成長で活用が広がる

ID-POSデータや会員基盤を基点に、ECやアプリのオウンドメディアでは検索広告やバナー広告、レコメンド広告といった機能が実装され、BOPIS(Buy Online Pick-up In Store)と連携したピックアップ確認メールでの広告配信、店内ではデジタルサイネージと組み合わせる形でAIカメラやビーコンが活用され、自社のファーストパーティーデータを使った外部メディアへの広告配信など、オンラインとオフラインのタッチポイントを最大限活用し、次々と広告メニューの開発が進んでいます。

また、様々な広告メニューが購買行動変化まで分析できるのは、これまでデジタル広告では実現できなかったことだと思います。このような自社のメディアをSSPとして束ねて一括運用できる仕組みや、DSP企業との連携、その他にも、テレビ局とのタイアップによるマス広告の効果分析や、AIによるクリエイティブ制作の自動化など、ここ数年のリテールメディアの成長は著しく、2023年にはデジタル広告市場の20%はリテールメディアに置き換わる予測まで出てきています。

なぜリテールメディアが注目されるのか

リテールメディアが注目される理由は大きく分けると4つあると考えています。


①AIカメラやビーコンの登場
AIカメラやビーコンをはじめとする、ユーザーの動きを分析することやスマホとのコミュニケーションを可能にするようなソリューションが出揃ったことが1つ目の理由です。これまで可視化できなかったことがデータとして可視化され、空間の理解が深まったことで...

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