販売促進の専門メディア

           

シン・トップの現場力

小売業こそデータの宝庫。グッデイ 柳瀬社長が実践する現場力

柳瀬隆志氏(グッデイ)

新しい時代における流通・小売業界で自ら事業を牽引するキーパーソンに迫る本企画。第1回は九州を中心にホームセンターを展開するグッデイ 代表取締役社長 柳瀬隆志氏。「日本DX大賞」大規模法人部門で大賞を受賞するなど、データに基づいた経営・店舗運営を行っている。柳瀬社長が考える「現場力」とは。

3代目として店舗配属からスタート

──まず「グッデイ」について紹介いただけますか。

ホームセンター「グッデイ」は北部九州を中心に、福岡、佐賀、大分、熊本、山口に64店舗を展開しています。「家族でつくるいい一日」をコンセプトにしたホームセンターで、年商は380億円ほど。九州のホームセンター業界では2〜3番手になります。私で3代目になり、大手商社で食品の輸入取り扱いなどを経て、31歳のときにグッデイの親会社である嘉穂無線に入社。西福岡店の店舗配属からグッデイでのキャリアをスタートさせました。

デジタルへの取り組みはマイナスからのスタート

──グッデイといえば「日本DX大賞」を受賞されるなどDX化に取り組む先進企業という印象です。

22年6月に「日本DX大賞」の大規模法人部門で大賞を受賞することができましたが、もともとデジタルへの取り組みが積極的な企業ではありませんでした。私が入社した2008年当時は社内で誰一人メールアドレスを持っていませんでしたし、連絡手段は紙と固定電話、そしてFAXでした。毎月行う店長会議では、1万枚(100枚×100名分)の資料を印刷し、エリアマネージャーが半日かけてファイリングを行い、会議に臨んでいました。

当社のDXへの取り組みについてお話しすると「グッデイさんだから実現できたのでは」と言われることが多いのですが、デジタルへの取り組みはゼロどころか、マイナスからのスタートだったと思います。

──現在の取り組みを踏まえると、とても意外です。

多くの課題がありましたが、本質的には何も変えられぬまま7年が経ちました。当社がデータ活用を始めたのは2015年からです。もともと社内で構築されたシステムで店舗運営をしていましたが、少しずつクラウドサービスを利用するようになりました。それに合わせ、私自身もBIツールを使用し、様々なデータを可視化してみたところ、とても手応えを感じました。

そこで、システム部や経営企画部のメンバーを...

あと60%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら
販促会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する