2022年6月、ビックカメラは「ビックカメラ OMO戦略」実現のため、Salesforceとアマゾンウェブサービス(AWS)を全面採用、ビックカメラDX宣言を行った。同社が推進するデジタル起点のマーケティングプラットフォーム戦略とはどのようなものか、野原昌崇氏が説明した。
まずビックカメラを取り巻く経営環境について説明します。当社の家電小売業界でのシェアはグループ計で2番目ですが、直近は苦戦傾向にあります。また経常利益は黒字ですが、現在マーケットでは変革圧力にさらされています。
家電小売業の特徴として ①複合寡占と説明商材Sellingにより閉鎖的な文化 ②他小売業よりもDXが“未開拓”だからDXが“効きやすい”という点が挙げられます。
私たちはそういった家電小売業の特性を考え、自らを変革しなければいけないし、新しいビジネスを創出しないといけません。それは顧客を中心に置いてビジネスを再構築する、CRMを中心に置くといった、正にDXを行うということです。
ビックカメラは今年6月にDX宣言をしました。そのDX宣言の中で、SalesforceとAWSを全面採用すること。そして私たちデジタル部隊だけでなく、全社を挙げてDXにコミットすることで、デジタルを巻き返しの起点にするつもりです。
マーケティングPF構築ポイントは“システム企画”
私たち自身がデジタルマーケティングの完全移行を考えるにあたって、システム企画がポイントになると思う点を、体制やシステム整備という観点から説明します。
まず、ビックカメラOMOはECとスマホアプリとしてのOMOアプリとデジタルマーケティングの集合体です。
お客さまがPB商品を買い、レビューを入力したり、物流の精度に対してNPSフィードバックをしてもらったり、もしくは店内の回遊や接触ICチップを搭載している電子棚札にスマホでタッチして商品情報を見るなど、店内でお客さまがどのような挙動をしているのか、情報を取得しています。
一方でオンラインでは、ECでどのような商品を閲覧したのか、そしてお気に入りに登録したのか、購入を迷っているのかなどをチェックしています。
このようにオフラインとオンラインでそれぞれお客さまの挙動を確認しており、当然購入の際にはPOSでエグジットするので...