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AdverTimes DAYS 2022 レポート

アース製薬流SNS活用術でブランド好意度と純粋想起度を向上

織田大介氏(アース製薬)

2025年に創業100周年を迎えるアース製薬。これまでテレビCMを起点としてマーケティングを行ってきたが、消費者の変化に伴い複数のSNSを利用し、施策を展開、成果を収めている。その成功の鍵はどこにあるのか。SNS活用法について、同社の織田大介氏が説明した。

当社は1892年に創業、1925年に設立した日用品トータルメーカーで、間もなく100周年を迎えます。おかげさまでロングセラーのブランドを多数抱えている一方、ブランド自体が高齢化しているという課題もあります。

当社では、蚊など害虫による被害から人を守るため、様々な商品を展開。殺虫剤もその一つです。私たちが提供している商品の目的は、虫を殺すことではなくて、人を守ること。その観点から、健康に悪いイメージを持たれてしまうこともある“殺虫剤”という呼称を見直しました。2017年以降は「虫ケア用品」としてブランディングを開始しており、当社では“殺虫剤”という呼び方を止めています。

直近では除菌における革新的技術であるMA-Tシステムの拡大に取り組んでいます。MA-Tシステムは除菌効果が非常に高く、かつ安全性も高いという、これまでの概念を覆す新しいシステムです。それを採用し、これまでも取り組んでいた「虫ケア用品」と併せ、当社では「感染症トータルカンパニー」という旗印のもと活動を行っております。

SNS施策は、ファンの育成・商品の認知・スピードが重要

これまで当社はテレビCMを起点として、様々なコミュニケーションを届けてきました。これらの従来型の顧客接点に加えて、オンラインの顧客接点も非常に重要だと考えています。中でも口コミや、今回の主題でもあるSNSなどは、消費者が商品を購入する際にとりわけ重要になってくるポイントだと考えます。

では、当社がSNSの効果をどのように測っているか。当社では、「ブランドの好意度を上げること」「純粋想起度を上げること」の2点を高めることが、結果として売上につながっていくと考えています。そのためKPIを「ブランド好意度」と「純粋想起度」に置いています。

またSNSを活用する際に大切にしているのは次の3点です。まず一つは、ファンの育成を目的としているためフォロワー数は追わず、ファンとのコミュニケーションを重視すること。次に、商品を売ろうとせず、商品を知ってもらうことを重視すること。最後に、スピード感を重視するため、事前の投稿内容のチェックはほどほどに行いつつ、矢継ぎ早に新しい情報を発信すること。この3つを重視することで、SNSの効果を高めようと考えています。

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