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AdverTimes DAYS 2022 レポート

ポーラ、OMOを強化 独自の体験価値創出のため

安野晋平氏(ポーラ)

2029年に100周年を迎えるポーラ。その節目に備え、独自のDX戦略を目指し、様々な施策を行っているという。現在はOMOを強化し、リアルとオンラインを上手くつなぐ取り組みを実行している。ポーラのDX戦略の現在と今後について、安野晋平氏が解説した。

私たちは創業100年の節目を迎えるにあたって、2029年ビジョンの策定を行いました。これまでの「人」を中心としたケアをどんどんと拡張させていき、社会へ、ひいては地球全体へとつながりを広げていくことを目指しており、その実現に向けた独自のDX戦略に取り組んでいます。

当社は全国にポーラショップを展開するトータルビューティー事業を始めとして、百貨店などで展開をするプレステージストア事業、さらには公式オンラインストアを中心としたEC事業など、様々な事業体およびチャネルを持っています。その一つ一つがダイレクトセリングでお客さまとつながっているのですが、これら多彩な接点を分断させずに、ALLポーラとしてお客さまの体験価値を高めるシナジーを生むことを目指します。

DXの第一歩としては、チャネルごとに保有している顧客データを一つに集約し、マーケティングツールやBIツールとのデータ連携を容易にしました。社内のあちこちに散逸していたデータの収集および整理、事業ごとに異なる属性定義の見直しなど、担当者たちの地道で粘り強い努力によって、これらが実現したといえます。その甲斐あって今では、BIツールを活用して各部門がスピーディーにデータ分析を行ったり、分析結果を活かした戦略・戦術への反映を行ったりできるようになりました。

現在進めているDXを通じた変革は二つ、一つは「お客さまとのコミュニケーションの進化」、もう一つは、それを支えるための「営業・販売活動の進化」です。この両輪を高めることで、より高度な価値提供ができるように努めています。

オンラインとリアルをシームレスにして価値提供につなげる

まず、顧客コミュニケーションの進化についてです。そもそも、お客さまの日常には「オンラインとオフライン」二つの環境があります。ですが、実際にはお客さまの中では「今はオンライン」「今はオフライン」といった区別はありません。ビジネスにおいても、この両者を一つの世界として捉えること、いわゆる「OMO」が当然だと言えるでしょう。ポーラは現在、この考え方に基づいて、様々な取り組みを進めています。

オフラインからオンラインへの接続という点では、店舗活動のオンライン拡張が挙げられます。オンラインカウンセリングやオンラインワークショップ、LINEなどデジタルを通じたスキンケア・メークのアドバイスを実施しています。コロナ禍ということも相まって、オンライン対応については特に素早く行ってきました。当初はデジタルリテラシーの課題など、ハードルはいくつかあったのですが...

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