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ニューノーマル時代のトレードマーケティング

カルビー「miino」の小売への営業戦略とは

小岩幸太氏(カルビー)

競争の激しい売り場獲得において、定番カテゴリーへの新機軸の打ち出しにはどの企業も頭を悩ませている。スナック菓子業界を牽引するカルビーは、2017年に「miino」を投入し、今では定番商品となった。売り場を獲得するまでにどのような提案を実施したのか、カルビーの小岩幸太氏に話を聞いた。

少ない販路で実績を作り 数字で納得感をもたせる

──「miino」について教えてください。

「miino」は豆を原料としたスナック菓子で、現在そら豆しお味やえだ豆などを展開しています。元々この商品は、コンビニエンスストアとの商談の中でコンビニ側との相談で実現しました。スナック菓子の売上がやや減少していた折に、スナックのジャンクさを残しつつも罪悪感なく食べられるスナックをつくれないかという話があり、そこから開発がスタート。他社にも相談していたそうですが、結果的にmiinoが残ったというかたちです。当初はコンビニに販路を限定して販売していました。

──商品化の際、ハードルはありましたか。

当社には過去に、「ベジップス」という商品がありました。発売当初は非常に人気があったのですが、その後目標まで売上を伸ばしていくことができませんでした。「ベジップス」も「miino」と同様、素材をそのままスナック菓子にしたような商品でしたので、社内では今回も同じ結果になるのではないかと、懸念するような声もありました。ですが、「miino」はしっかりとコンビニで実績がつくれており、コンビニでの販売で得られた数値を積み重ねることで説得力を付けられたので、当社の中でも地位を確立することができました。

──小売への提案はどのようにされましたか。

小売との商談は資料をマーケティング部で準備し、交渉自体は営業が行うかたちが多いですが、時折マーケティング部も入って商談することもあります。

そら豆やえだ豆などの、素材そのままの風味が味わえる「miino」。大型サイズや個包装など、用途に合わせて使える新パッケージも。

データやチラシを活用 目新しさも訴求する

──小売側に提案する際、気を付けたことは何ですか。

「miino」の課題として、配荷率と店頭露出を上げる、というものがありました。課題解決のために、新聞の折り込みチラシを...

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