シンプルでトレンド感のある洋服が幅広い世代に人気のナノ・ユニバースは、コロナ禍をきっかけに、店舗で買い物以上の体験を提供するためのサービスを強化。特に力を入れているInstagramなどSNSを使ったスタッフ起点の施策について、伊知地萌衣氏と、羽賀悠平氏に聞いた。
スタッフを起点にしたファンづくりを強化 Instagramを使い分け
──ナノ・ユニバースのブランドの特徴や、メインユーザー層を教えてください。
伊知地:1999年に渋谷にオープンしたブランドになります。当初はメンズブランドのみでしたが、現在はレディースも展開しています。メインユーザー層は30代が中心で、全国に64店舗あります(9月15日時点)。
──ブランドとしての公式アカウントの他に、スタッフ個人の公式アカウントがある理由を教えてください。
羽賀:スタッフ個人の公式アカウント以外ですと、ブランド全体の公式アカウント「ナノ・ユニバース」、公式スナップアカウント「ナノ・ユニバース スナップ」、ゴルフウェアレーベルの「ビーツ・パー・ミニット」を運用しています。例えばブランド全体の公式アカウントでは、自社EC、店舗のトピックなどトータルな情報を発信。「ビーツ・パー・ミニット」のアカウントでは、よりコアな層に向けた発信をしていくなど用途によって使い分けています。
その中で、スタッフ個人の公式アカウントでは、投稿内容なども全てスタッフに任せています。スタッフ一人一人にファンがついてもらい、そのファンの方にブランドも好きになってもらいたいという狙いがあります。
──ECサイトでは、スタッフの方の着こなしからアイテムを探せる「スタッフコーディネート」のサービスも展開されています。
羽賀:スタッフコーディネートは、エリア・店舗、性別、身長別に探すことができます。お客さまが商品を購入される際の大きな動機の一つに、スタッフからの着こなしなどのアドバイスもあります。
さらに自分に近い体格のスタッフのコーディネートを参考にすることで着用した際のイメージも付きやすくなります。気になるスタッフを見つけてクリックすると、そのスタッフの様々な着こなしを見ることができるページに移動します。さらに、プロフィールの下にはスタッフ個人のナノ・ユニバースとしての公式アカウントのリンクがあるので、より深いパーソナルな部分までお客さまは見ることができます。
さらに、スタッフのアカウントにも必ずECサイトのリンクが記載されているので、スタッフ個人が気になった方がECサイトも見てくれるように、相互間で行き来できる導線をつくっています。