オーストラリアを代表するレストランbillsは、2008年の日本出店を機に国内でも人気店となった。既に知名度もある同店のInstagramは細かな店舗の雰囲気など、マスメディアでは説明しきれないニッチな情報を届けている。PRディレクター吉澤 観希氏に戦略を聞いた。
店舗ごとに異なる雰囲気や使用シーンを伝えてさらなる来店を促す
──まず、billsの日本進出の経緯について教えてください。
1993年に創業者のビル・グレンジャーがシドニーでオープンしたbillsは、元々は街角の小さなカフェでした。2000年のシドニー五輪をきっかけに世界的に知られるようになり、現在はオールデイダイニングとしてオーストラリアを代表するレストランになっています。
海外初出店として、2008年に日本の七里ガ浜(鎌倉市)にオープン。以降、5カ国で20店舗、日本国内で8店舗を展開しています。
bills Japanは、ビルの日本でのマネジメントに関わっていたサニーサイドアップが、店舗運営を担うトランジットジェネラルオフィスとの合弁会社として運営しています。
──Instagramに力を入れ始めたのはいつ頃ですか。
私が入社した2017年頃です。bills JapanのInstagramアカウントはそれ以前からありましたが、私が専属担当になり本格的に力を入れるようになりました。運用管理からキャプション・写真の選定など、私が1人で担当しています。特にSNSマーケティングを勉強していたわけでもなく、何もわからないところから、セミナー受けたり本を読んだり勉強しながら地道に運営してきました。
──Instagramに力を入れ始めたのは、日本で知名度もファンも多く獲得していた後のタイミングです。Instagramでの運用方針や狙いはどのように設定していたのでしょうか。
PR会社としてメディア露出に力を入れつつ、Instagramまでたどり着いていただいた方には、テレビ雑誌だけでは伝わりきらない細かな店舗の雰囲気など、よりニッチな情報を届けることでさらなる来店を促したいという思いがありました。
billsはオンライン販売がないため、店舗への集客が鍵です。お店の雰囲気や料理の味など、私たちが大切にしているbillsの世界観を発信することで「店舗に行ってみたい」と思ってもらえるような投稿を意識しています。
billsは店舗デザインにも力を入れていて、ロケーションによってインテリアも大きく異なるのが特徴です。例えば...