2022年7月から初のリセール事業としてサステナブル・レーベル「GREEN BATON」を始動したゴールドウイン。本施策では長年培ったリペア技術を独自の付加価値として提供し、同社ならではのサステナビリティに取り組む。レーベル責任者の畑野健一氏に話を聞いた。
サイズアウトで廃棄が多い子ども服
──サステナブル・レーベル「GREEN BATON」について教えてください。
ゴールドウインが2021年5月に策定した、サステナビリティの長期ビジョン「PLAY EARTH 2030」に沿った取り組みの一環です。
THE NORTH FACEは以前から富山工場を拠点にリペアサービスを行ってきました。キッズ商品に関しては無償で対応しています。ただ、子ども服は成長に伴ってサイズアウトしてしまい、状態が良くても着られなくなってしまう。「製品のロングライフ」をキーワードとして考えたときに、サイズアウトした商品を必要としている方に提供できないかと考え、リセール事業をスタートしました。
リセールを専門として取り組んでいる企業は数多くありますが、長年培ってきたリペア技術を、我々独自の“付加価値”としてお客さまに提供したいと考えています。
──キッズ製品の処分方法の調査では、1位が「お下がりとして誰かにあげる」、次点が「廃棄する」でした。
予想では「廃棄する」は「フリマアプリへの出品」とさほど変わらない比率かなと思っていました。結果は「廃棄する」は「フリマアプリで出品する」割合のほぼ倍。案外捨てているんだなと驚きました。
──買い取りの仕組みについて教えてください。
全国の「THE NORTH FACE」と「HELLY HANSEN」の直営店15店舗で、2ブランドのキッズ製品を買い取ります。リセール専業の企業は、持ち込んだ製品の品番から定価や過去の買い取り履歴などを確認し、製品の状態を見て査定をするケースが一般的です。我々は、ジャケット、カットソー、パンツなどのアイテムごとに一律の買い取り価格を設定し、査定金額分のクーポン券をお渡しします。対象アイテムや買い取り金額は、公式サイト内の「GREEN BATON」のページにも掲載しています。
一方、全体が変色してしまっているシャツなど、ダメージが強すぎてリペアができない状態の製品の買い取りはできません。そういった製品は1回500円のクーポンを発行する「GREEN CYCLE」という回収システムにご案内しています。せっかく衣服を持ち込んでも「買い取れない」と返却されてしまうとがっかりしてしまうので、いくつかのプランを提案できるようにしています。
![](https://mag.sendenkaigi.com/hansoku/202210/images/066_01.jpg)
今年7月に始動したサステナブル・レーベル「GREEN BATON」。
一点モノで付加価値を創出
──7月21日から始まった施策ですが、反響はいかがですか。
開始当初は新型コロナ「第7波」の影響で...